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「うちは利益が出ているから大丈夫」
そう思っている経営者様ほど、M&Aで損をしてしまう可能性があります。
なぜなら、中小企業の決算書は節税のために利益を圧縮していることが多く、そのままでは企業の「本来の稼ぐ力(実力)」が買い手に伝わらないからです。
シリーズ第2回となる今回は、筋肉質な財務体質へと生まれ変わらせる「財務の磨き上げ」について解説します。
目次
中小企業の決算書は、一般的に「節税」を意識して作成されています。しかし、M&Aにおいて買い手が最も注目するのは、税金を引いた後の最終利益ではありません。
買い手が知りたいのは、「その会社が本来持っている稼ぐ力(正常収益力)」です。
例えば、オーナー個人の裁量による経費や、親族への役員報酬、一時的な特別損失などが含まれたままでは、会社が本来生み出している利益が過少評価されてしまい、結果として譲渡価格の低下を招く恐れがあります。
M&Aにおいて、企業の買収価格(株価)は、主に「その会社が毎年どれくらい利益を出せるか(収益力)」を基準に算出されます。つまり、「利益が少ない=会社が安く買い叩かれる」ということです。
しかし、多くの中小企業の経営者は、長年「いかに利益を減らして税金を安くするか(節税)」に腐心してこられたのではないでしょうか。
皮肉なことに、この「行き過ぎた節税」こそが、M&Aの高値売却を阻む最大の敵となります。
まずは、損益計算書(P/L)に紛れ込んでいる「余分な贅肉」をそぎ落とし、会社が本来持っている収益力を証明する必要があります。
■公私混同経費の洗い出し
オーナー企業によく見られる以下の経費は、買い手から見れば「事業に関係のないコスト」です。これらを「本来は利益として残るはずのお金」として修正します。
・役員用の高級車: 事業に必須ではない高級外車などの減価償却費や維持費。
・過大な生命保険: 節税目的で加入している高額な保険料。
・私的な交際費 : オーナー個人の飲食代や家族旅行費、ゴルフ代など。
これらを決算書上で経費として計上していると、見かけ上の利益が圧縮され、株価が低く算定されてしまいます。M&Aを検討し始めたら、これらの節税策はストップし、素直に利益を計上して納税する方が、結果的に手取りの売却益は大きくなるケースが多いのです。
■役員報酬の適正化
また、オーナー社長自身の給与(役員報酬)も見直しの対象です。
オーナーへの過剰な報酬を市場相場に戻し、その差額を利益に上乗せすることで、企業の収益力は見違えるほど高く評価されるようになります。
損益計算書(P/L)が企業の「稼ぐ力」を表すなら、貸借対照表(B/S)は企業の「体格」を表します。M&Aにおいて買い手に好まれるのは、「筋肉質な財務体質の会社」です。
なぜなら、無駄な資産が多いと、資本効率(ROA/総資産利益率)が悪く見えるからです。売却前にB/Sの大掃除を行い、企業価値を毀損する要因を取り除きましょう。
決算書上は「資産」として計上されていても、実際には価値がない、あるいは事業に使われていない資産は、M&Aにおいてマイナス評価の対象となります。
■不良在庫・滞留債権の処理
長年倉庫に眠っている「売れない在庫」や、何年も回収できていない「焦げ付いた売掛金」。これらを資産として計上し続けることは、決算書を汚すゴミを溜め込んでいるのと同じです。
買い手による買収監査(デューデリジェンス)が入れば、これらは必ず指摘され、買収価格から減額されます。今のうちに思い切って損失処理を行い、B/Sを実態に合わせて綺麗にしておくことが、買い手の信頼獲得につながります。
■遊休資産の売却(現金化)
また、本業の収益に貢献していない資産も整理の対象です。
・社長の別送やリゾートマンション
・使っていないゴルフ会員権
・過剰な投資有価証券
これらはM&Aの譲渡対象から外すか、あるいは売却前に換金して「現預金」に変えておきましょう。
買い手企業が欲しいのは「事業」であり、あなたの会社の保養所ではありません。不要な資産を現金化し、借入金の返済に充てるなどしてB/Sをスリム化することで、企業価値(株式価値)は上がります。
「うちは小さな会社だから、決算は年に一回、税理士に領収書を丸投げして終わり」
もし、あなたの会社がこの状態なら、今すぐに改める必要があります。月次決算は、M&Aの土俵に上がるための「最低条件」になります。
買い手企業は、買収後の事業計画を立てるために、「直近の数字」を求めます。
もし、月次決算を行っていないと、買い手から質問された際に「半年前の数字しか分かりません」「今の数字は期末にならないと出ません」と答えることになります。
こうなると、買い手は「この経営者は数字に基づいて経営判断をしていない」「管理能力が欠如している」とみなし、提示された決算書の数字そのものを疑い始めます。
その結果、リスク回避のために大幅な安値を提示されたり、検討対象から外されてしまうこともあります。
逆に、毎月の試算表が翌月の中旬には完成し、数字の推移や予実管理(予算と実績の比較)ができている会社はどうでしょうか。それだけで、買い手の評価(ガバナンス評価)は劇的に向上します。
「数字が正確に管理されている」という事実は、買い手に「この会社は隠し事をしない透明性の高い会社だ」という安心感を与えます。
この安心感こそが、買収監査(デューデリジェンス)をスムーズに進めることができます。
今回は、決算書という「数字」を綺麗にする財務の磨き上げについて解説しました。しかし、M&Aの企業価値評価(バリュエーション)において、数字はあくまで「過去の結果」に過ぎません。
財務を綺麗にしたら、次はいよいよ最終仕上げです。買い手が本当に欲しいのは、その数字を生み出す源泉である「ブランド力」や「独自のノウハウ」です。
■ 第3回:自社の強みをブランド化する「実務の磨き上げ」
次回の記事では、貸借対照表には載っていないけれど、会社にとって最も重要な資産(見えない価値/のれん代)。
これをいかにして可視化し、買い手に高く評価させるか、その具体的なアピール手法(実務編)を解説します。
[第3回の記事はこちら]
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