絶対絶命のドラッグストアの会社売却の事例

堅調に業績を伸ばしていたところ、近隣にライバル店が進出したことで赤字に転落してしまったドラッグストアチェーンの事例になります。
 
さらに、財務調査を進めたところ粉飾決算が発覚。こういったケースでも会社を売却することは可能なのでしょうか。

【背景】大手に顧客を奪われ、絶対絶命のドラッグストアチェーン

社長が薬剤師で調剤薬局からスタートしたドラッグストアチェーンの事例になります。
 
順調に事業を伸ばし、調剤部門の売上が堅調なのを背景にドラッグストアに進出。約10店舗を展開し、売上も70億円を超えるまでに成長していました。

会社データ
  • 調剤薬局からスタートしたドラッグストアチェーン
  • 社長は会社売却後も続投を希望
  • 売上 :70億円
  • 店舗数:約10店舗
  • 業績 :5000万円の借金

ところが近隣に大手のスーパーのドラッグ部門が進出。資本力を背景にした安売り攻勢に顧客を奪われ、業績は一気に赤字に転落してしまいました。
 
当初はなんとか融資してくれた銀行も、業績が回復しない状況と、厳しいと映る経営環境に嫌気が差したのか追加融資を渋るようになり、資金繰りもままならない状況に陥ってしまいました。
 
そんなときに、介護事業を手掛けている売上数千億円の上場企業から、会社売却の話が持ち掛けられました。買手候補企業は、ドラッグストアを介護事業の周辺事業と位置づけ、事業戦略上のメリットがあると判断したことが理由でした。

【磨き上げ】架空在庫?財務調査で粉飾決算が発覚

病院と結びついている調剤部門は一定の利益を上げていましたが、ドラッグストア部門の不振で赤字額は5000万円。ただし、借入金が多いのと、店舗はすべて賃借で固定資産を持たないことから、決算書からわかる純資産額は3000万円ほどでした。
 
このような状況からすると、このドラッグストアチェーンは最低でも純資産分の3000万円の価値があることになります。これに、会社売却で生まれる相乗効果を勘案すると、会社売却価格はさらに高くなるはずでした。

財務資料によると、このドラッグストアチェーンは約3億円の在庫があることになっていました。ところが、倉庫の在庫を調べてみると、実際にあるのは1億円分だけ。あとの2億円は架空であることが判明しました。
 
これを正しく処理すると、2億円を差し引いた処理をしなければなりません。そうなると、このドラッグストアチェーンの実態は債務超過ということになります。
 
当然、買手企業側は、企業価値を偽る粉飾の事実がありながら、それを事前に開示しなかったことに対して不信感を表明してきました。
 
M&Aにおいても、一般の商取引と同じように、お互い信義則にそって行動をしなければならないので当然です。とにかくすぐに修正後の財務資料を再提出し、買手企業側の判断を待つことになりました。

【M&A】逆転!借金解消、社長報酬年間1500万円を獲得

先方から提示されたのは会社売却価格は0円。つまりタダです。ただし、実質1億7000万円近い債務超過、多額の借入金は全て肩代わりするとのことでした。しかも、会社売却後も社長として続投することが受け入れられ、報酬として年間1500万円が支払われることになりました。
 
買手企業側にとっては、新規参入するよりは、会社を買収したほうがメリットがあると判断をしました。
 
厳しい経営環境で行き詰まる寸前だったことを考えると、たとえ売却額が0円だったとしても、売手側にとっては大きなメリットがありました。しかも、粉飾決算が発覚するという本来はあってはならない環境下のもと、社長として続投することが受け入れられ、会社を売却することができました。
 
また「会社を売った後は経営に関われない、従業員とも会えなくなる」と考えるのはM&Aに対する誤解です。自分が社長として残りたいのであれば、そういった条件で買手企業を探せば解決します。

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