事業承継の事前の準備や対策について

事業承継はすべての経営者が意識しておくべき重要な経営戦略の一つです。
 
事前の準備を行わないまま事業承継に取り組むと、経営者や後継者だけではなく、従業員や取引先にまで迷惑をかけてしまうこともあります。
 
事業承継を成功させるためには、事前の準備、そして事業承継の本質を理解しておく必要があります。

どんな準備が事業承継には必要か?

事業承継の一番の目的は経営を引継ぐことです。誰が経営者になっても、問題なく事業を継続できる組織体制をつくり、事業を引継ぐことが重要になります。
 
そして、事業承継は、後継者選びからはじまり、経営の分析、経営や組織の見直し、税金対策など、多岐にわたって準備をする必要があります。

事業承継で行うこと
  • 経営分析
  • 後継者選び(→後継者がいない場合は、第三者へ会社を売却)
  • 経営の見直し
  • 組織の見直し
  • 相続制対策 …etc.

事業承継対策を早くはじめたほうがいい理由

事業承継対策を早くはじめたほうがいい理由

参考:中小企業庁 事業承継ガイドライン

こちらのグラフは中小企業庁の事業承継ガイドラインから抜粋したものですが、年々、経営者の年齢が上がっているにもかかわらず、経営者交代率が下がっていることがわかります。
 
経営者の高齢化が進み、多くの会社が事業承継の問題に直面していますが、このグラフからも多くの会社が事業承継がうまく進んでいないことがわかります。
 
事業承継は多くの準備を必要としますが、誰に事業承継するかによって事前の準備が異なります。

>関連コラム:事業承継の3つの方法とは?

5億円の株式譲渡で2億3300万円の相続税!?

例えば、子どもに5億円の株式を親族内承継をした場合、5億円×50%-4200万円(税金控除額)=2億3300万円(相続税)となり、この場合は相続税を軽減させるための準備が必要になります。
 
5億円の株式譲渡で、相続税が2億3300万円とは驚きますよね。相続税は現金一括納付が原則なので、相続税を支払うために銀行から借入するのも珍しくありません。後継者が相続税で困らないために、親族内承継は、利益を圧縮したり、資産の整理や組替えするなどの株価の引下げ対策が重要になります。
 
一方、事業承継をする後継者がいない場合、第三者へ会社を売却する事業承継M&Aがあります。この場合は、従業員の雇用などの売却条件や売却金額など、最良の条件を獲得するために、会社の価値を高める株価引上げ対策を行います。
 
このように、会社を誰に事業承継するかによって、経営者が行う対策は異なります。また、対策を行う準備にもある程度の時間が必要になるので、事業承継対策は早めに取り組んだほうが良い結果につながります。

>関連コラム:事業承継M&Aの成功事例・失敗事例をご紹介
>関連コラム:従業員5名の零細企業の会社売却事例をご紹介

事業承継では何を承継するのか?

事業承継では何を承継するのか?

会社は、経営者や従業員、取引先などの「人」、会社が培ってきた「経営」ノウハウ、そして事業活動を支える「資産」で成り立っています。
 
事業承継はこの3つの項目をスムーズに承継することがテーマとなり、誰が経営者になっても問題なく事業を運営することができるように承継することが重要です。

「人」の承継
  • 従業員、顧客、取引先、仕入先などを後継者に引継ぎます。中小企業の場合は、これらが経営者個人に集中していることが多いため、円滑に引継ぎができるように準備をすることが大切です。
「経営」の承継
  • 営業ノウハウや事業ノウハウを後継者に引継ぎます。経営も上記と同じく、経営者個人に集中していることが多いので、経営も円滑に承継できるように準備をします。
「資産」の承継
  • 株式、現預金、不動産などを後継者に引継ぎます。親族内に承継する場合は、相続税対策が必要になります。

>関連コラム:親族に事業承継をする場合の相続税対策

事業承継でやるべきこと

事業承継に取り組む前に、まずは会社の状況を把握することが大切です。
 
そして、どのような作業が発生するのかを事前にチェックしてから、円滑に事業承継ができるように着実に進めていきます。

項目 内容
会社の経営資源の状況 ・従業員の数、年齢等の状況
・資産の額やキャッシュフロー等の現状と将来の見込み etc.
会社の経営リスクの状況 ・会社の負債の現状
・会社の競争力と将来の見込み etc.
経営者自身の状況 ・保有自社株式の現状
・個人名義の土地や建物の現状
・個人の負債や個人保証等の現状 etc.
相続発生時に予想される問題点 ・法定相続人及び相互の人間関係・株式保有状況等の確認
・相続財産の特定・相続税額の資産・納税方法の検討 etc.
後継者候補の状況 ・親族内に後継者はいるか
・社内や取引先等に後継者候補はいるか
・後継者候補の能力・適正はどうか
・後継者候補の年齢・経歴・会社経営に対する意欲はどうか etc.
項目 内容
事業承継の計画 ・親族内承継、親族外承継、第三者への売却(M&A)のメリット・デメリットを知る
・後継者候補を決定して意思の確認をする
・中長期経営計画を立てる
・事業承継計画を立てる etc.
経営体制を整備する ・経営理念を明文化する
・人事制度を見直す
・人員配置を見直す
・後継者に業務を経験させる
・業務のノウハウを共有する etc.
資産の承継 ・後継者候補に資産を適正に分配する
・株式に関する定款の規定を確認する
・後継者が従業員の場合は株式取得資金を用意する
・株式の生前贈与を検討する
・遺産の分配方法を決める etc.

参考:中小企業庁 事業承継ガイドライン

 
このように事業承継はやるべきことがたくさんありますが、まずは「誰に事業承継をするのか?」を決めることからはじめます。

>関連コラム:事業承継はどこに相談したらいい?相談・支援先のまとめ

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