【報酬が5倍に!?】M&A手数料で大損する「総資産の罠」を見抜く3つの質問

M&Aが成立した際にM&A会社へ支払う「成功報酬」。この成功報酬は、M&A会社によって算出方法は異なり、よく確認せずに契約してしまった結果、後から想定外の巨額な手数料を請求されるトラブルが後を絶ちません。
 
一般的な成功報酬は「一定の料率(%)」を掛けて計算されますが、最大の落とし穴は「その料率を“何に対して”掛けるのか」という定義の違いにあります。
 
この記事では、プロしか知らない成功報酬のカラクリ、両手仲介の闇、そして不当な搾取と防ぐための鉄則をご紹介します。

【恐怖のシミュレーション】分母の違いで報酬が「5倍」変わる

M&A会社を選ぶ際、絶対に確認すべきなのが成功報酬の基準となる金額です。ここで注意したいのが、基準を「移動する総資産額」とするか、「株式の譲渡対価額」とするかの違いです。
 
例えば、以下の状況で会社を売却したとします。

  • ・対象会社の総資産:10億円(純資産1億円+負債9億円)
  • ・実際の株式譲渡の対価(売却額):2億円
  • ・成功報酬の料率:5%

▼業者A:「総資産額」を基準とする場合
10億円 × 5% =5000万円の成功報酬
 
▼業者B:「譲渡対価額(実際の売却額)」を基準とする場合
2億円 × 5% =1000万円の成功報酬

いかがでしょうか。基準とする金額を「総資産額」か「譲渡対価額」かの定義の違いだけで、実に5倍もの差が出てしまいます。

なぜ「総資産」ベースの報酬は違和感だらけなのか?(プロのホンネ)

売手企業は、長年血の滲むような企業努力を重ね、適正な財務状況を作り上げて事業承継に臨んでいます。その企業努力の結晶は「株式の価値」にこそ集約されているはずです。
 
総資産額には、事業を行うための「負債」も含まれています。銀行管理下や資金繰りショートなどの異常事態でない「正常な会社」であれば、株式が譲渡されても負債の状態はそのまま維持されます。
 
買手企業に信用不安がなければ、正常状態の負債の移動に関してM&A業者は特段の努力を要しません。つまり、経営者の努力とは無関係な「負債を含めた総資産全体」に対して手数料を掛けるのは、言葉を選ばずに言えば「不労所得」に近いと考える専門家もいるほどです。

【要注意】契約書に潜むトラップと「両手仲介」の闇

では、こうした「総資産ベース」の業者はどうやって経営者を言い含めるのでしょうか。そして、もう一つの大きな闇である「両手仲介」についても知っておく必要があります。

1. 契約書の罠:「移動総資産」という言葉のマジック

悪質な業者は、最初の面談では「手数料は業界最安水準の5%です!」と料率の安さだけをアピールします。
 
しかし、契約書の小さな文字で「※報酬の基準額は、譲渡対価に有利子負債を加算した移動総資産とする」と書かれています。
 
料率の安さに気を取られ、掛け算の「分母」が膨れ上がっていることに気づかずに判子を押してしまうのです。

2. 「両手仲介」の構造的な欠陥(利益相反)

成功報酬の基準だけでなく、「誰から報酬をもらうのか」も重要です。売手と買手の両方から手数料をもらう業者を「両手仲介」と呼びます。
 
両手仲介は、早く契約をまとめて両方から手数料を取りたいというインセンティブが働きます。そのため、「買手が買いやすいように、売手に無理な値下げを迫る(売却価格が安くなる)」という利益相反が構造上起きやすいのです。
 
両手仲介の業者と契約を検討する場合には、売手と買手のそれぞれとどのような契約を行うのか、しっかり説明を伺うことが大切です。

初回面談で悪徳業者を見抜く「3つのキラーフレーズ」

M&A会社との初回面談で、以下の3つの質問をしてみてください。相手の反応で、その業者が本当に信頼できるかがすぐに分かります。
 
「御社の成功報酬の『分母』は、譲渡価格ですか?それとも総資産(負債込み)ですか?」
 
「御社は『両手仲介』ですか?それとも売手専任の『アドバイザリー』ですか?」
 
「もし希望額を下回った場合でも、同じ料率で手数料を取りますか?」
 
これらの質問に対し、言葉を濁したり、複雑な言い回しではぐらかそうとする業者には絶対に依頼してはいけません。

成功報酬に関するよくある疑問(Q&A)

Q. 「総資産額」ベースの契約が適正になるケースはありますか?
A. あります。
対象会社が銀行管理下やリスケジュール(返済猶予)状態であったり、運転資金がショートして正常な融資が受けられないなど、財政が「正常な状態」ではない場合です。このような特殊な再生案件のケースでは、総資産額に対する契約が妥当になることもあります。
 
Q. すでに「総資産ベース」や「両手仲介」のM&A会社と契約してしまっているのですが、どうすればいいですか?
A. まずは契約書にある「専任媒介契約の期間」と「途中解約時の違約金条項」を確認してください。
契約期間の満了を待って切り替えるか、違約金のリスクを計算した上で解除するかを判断する必要があります。もし不安な場合は、契約書をお手元にご用意の上、セカンドオピニオンとして別の専門家へご相談されることを強くお勧めします。

まとめ:血と汗の結晶である「企業価値」を正しく評価するパートナーを

M&Aの成功報酬の算出方法は、各社各様です。だからこそ、総資産額に対して料率を乗じるような契約内容に違和感がないか、しっかりとご判断されることをお勧めします。
 
アドバンストアイでは、あらかじめ定めた条件のターゲットを獲得・上回った場合にインセンティブが発生する仕組みをご提案するなど、経営者様の努力を正当に評価する報酬体系をご用意しています。現在の契約内容に少しでも不安を感じたら、ぜひ一度セカンドオピニオンとして私たちにご相談ください。

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