M&Aプラットフォームの活用法と注意点

M&Aプラットフォームは、会社の売却希望者と買収希望者をオンライン上でマッチングする支援を行うサービスです。
 
M&Aプラットフォーム上では、売却を希望する会社の財務情報や事業内容、地域などが匿名で公開され、買い手は条件に合致する案件を効率的に探すことができます。最近では、AIを活用したマッチング機能を実装したM&Aプラットフォームも増えているようで、希望の条件に基づいて相手先を自動的に提案するサービスも提供されているようです。
 
M&A会社に依頼するのと比較して、費用と時間の削減が可能であり、とくに小規模な会社の経営者にとっては現実的な選択肢になっています。ここでは、M&Aプラットフォームの活用法と注意点についてご紹介します。

M&Aプラットフォームを活用するメリットとは?

M&Aプラットフォームの活用は、まず費用面でのメリットがあります。
 
M&A会社に依頼した場合、着手金や中間手数料、成功報酬(※M&A会社によって費用体系は異なります)が発生しますが、M&Aプラットフォームの場合、初期費用や成功報酬が低く設定されていることが多く、大きく費用を削減することが可能です。
 
また、売却先の選択肢が大幅に広がることもメリットになります。M&Aプラットフォームは、全国各地から多様な業種の買い手希望者が登録しています。これまで接点のなかった業界から思わぬ引き合いが生まれる可能性もあります。
 
より多くの候補先と接触できることで、売り手企業の価値を最大限に評価してくれる買い手との出会いを期待することができます。
 
企業情報は最初からすべてを開示する必要はなく、商談の進捗に応じて段階的に開示することが可能です。そのため、情報漏洩のリスクを最大限に抑えることも可能です。ただし、はじめに開示する内容は、企業が特定されないように注意する必要があります。
 
M&Aのプロセスが進むと、デューデリジェンスの対応や契約書の締結など、専門家のサポートが必要な場面もでてきます。M&Aプラットフォームでは、M&Aの重要な局面では専門家のアドバイスを受けることも可能のようです。
 
ただし、専門家のサポートを受けるためには、費用が発生するのかといった費用体系を確認しておく必要があります。
 
M&Aプラットフォームを利用することで、より多くの選択肢の中から、会社の売却を実現できる可能性が高まります。また、M&A会社と比べて、費用や時間を大幅に削減することが可能です。とくに小規模な会社の経営者にとっては、会社売却や事業承継お新たな選択肢となります。

M&Aプラットフォームのデメリットや注意点

M&Aプラットフォームを利用する場合、いくつかの注意点もあります。最も注意したいのは、オンライン上での情報開示に関するリスクです。
 
M&Aプラットフォーム自体のセキュリティは万全であっても、開示した情報で企業が特定されてしまうリスクがあります。そのため、初期段階での詳細な情報開示には慎重に判断する必要があります。
 
また、M&Aプラットフォームを通じた商談では、対面でのコミュニケーションが限られるため、買い手側の本気度や意図を見極めることが難しい場合もあります。形式的な条件だけではなく、経営理念や企業文化の共有、従業員の待遇に関する考え方など、重要な要素を十分に確認できないリスクがあります。
 
M&Aプラットフォームは便利なツールですが、決算書などの数字に表れない企業の強みや潜在的な成長の可能性、地域との関係性といった定性的な価値を買い手側に十分に伝えることは容易ではありません。そのため、企業価値が適切に評価されない可能性があります。
 
M&Aの成功報酬が安価であっても、デューデリジェンスや契約書作成などの費用は、M&A会社に依頼した場合と変わらないことも多く、これらの費用も含めた総コストを把握しておくことも重要です。

代表的なM&Aプラットフォーム

利用者が多いM&Aプラットフォームには、以下のようなものがあります。
 
BATONS(バトンズ)
 
サービスの特徴
M&A・事業承継支援プラットフォーム
売り手会社の譲渡価格の割合は、300万円未満(42.0%)が約4割、300万~1,000万(28.4%)が約3割であることから、規模の小さなM&Aが多数。
 
・個人も法人も多くの方が利用
・様々な業種のM&A案件を掲載
・多くの制約実績
 
料金体系(売り手の場合)
・着手金、月額料金、中間金、成約手数料はすべて無料
 
※ただしM&Aを進める場合、以下のオプションサービスの利用が推奨されている。
 
・サポートサービス
プロのコンサルタントがアドバイザーとしてM&Aの要所をサポート。成約価格の5.5%(最低55万円)
・プレミアムサポートサービス
経験豊富なプロが、買い手との交渉や面談同席を含むM&Aのやり取りを支援。成約価格の5.5%(最低220万円)
 
M&Aクラウド
 
サービスの特徴
世界初の買い手の顔が見えるM&Aマッチングプラットフォーム
 
売り手企業は、ノンネーム(匿名企業情報)を登録することで、掲載企業様からのスカウトを集めることが出来ます。 
 
料金体系(売り手の場合)
 
・着手金・成約手数料などすべて無料
 
※ただし、要望に応じて有料のサポートプランを案内。
 
TRANBI(トランビ)
 
サービスの特徴
成約手数料のかからないM&Aプラットフォーム
 
・M&A案件掲載数 2000件以上
・未経験者によるM&A成約率 約75%
・今すぐ交渉できる500万円案件数 200件超
 
料金体系(売り手の場合)
 
・案件掲載、買い手との交渉、買い手へのオファー、成約 →すべて無料
・サポート範囲(案件情報の作成、交渉の進め方などのM&Aの相談)
・オプションサポートあり
 

まとめ

M&Aプラットフォームは、便利なツールである一方、利用方法を誤るとトラブルにつながることもあります。報道されているM&Aトラブルのなかには、M&Aプラットフォームで不適切な買い手とマッチングしたことが原因でトラブルに発展してしまったケースもあるようです。
 
信頼性、費用、情報管理、サービスの提供範囲などを検討して、利用することが大切です。また、とくにM&Aの経験がない場合、M&Aプラットフォームだけではなく、M&A会社にも話を聞いたりして慎重に判断することが重要です。
 
売上規模が小さい小規模な会社の場合は、M&Aプラットフォームの活用は有効ですが、ある程度の規模の会社の場合は、M&A会社と進めることが望ましいです。M&A会社は、戦略的M&A策定や詳細な企業分析、複雑な交渉過程のサポートなど、専門的なサービスを提供します。
 
M&Aプラットフォームを活用するのか、M&A会社に依頼するのかは、会社の規模や希望内容に応じて選ぶことが大切です。

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