IMの目的や記載内容、重要性について

会社売却のプロセスの中で、買手会社に声をかけるためにノンネームタームシートを20社~30社程度に配布します。
 
興味を持った買手会社とは秘密保持契約(NDA)を結んだ上で、売手会社の情報を記載したIM(インフォメーション・メモランダム)を開示して質疑を受けます。
 
M&Aプロセスの初期段階で買手会社はIMを見てM&Aを進めるかどうかを判断するため、とても重要な資料になります。ここではIM(インフォメーション・メモランダム)についてまとめました。

IM(インフォメーション・メモランダム)とは?

事業承継M&Aを成功させるためのポイントは会社の“磨き上げ”

IMとは「インフォメーション・メモランダム(Information Memorandum)」の略語になります。
 
IMは、売却を予定している会社の情報を記載している資料になりますが、普段なら会社関係者以外は知り得ない詳細な情報までもが記載されています。
 
このIMは、M&Aの買手会社にとっては、買収プロセスを次に進めるかどうかを判断する重要な資料となります。
 
売却予定の会社について詳細な情報が記載されているため、厳重に取り扱うことが求められるので、IMの開示をする会社との間で秘密保持契約(NDA)を締結します。

IM開示の目的について

IMは、買手候補となる会社が、買収するかどうか、するとしたらどのくらいの金額で買収をするかなどを判断する重要な資料になります。
 
また、IMの資料をもとに買手会社は売手会社に質問し、追加の情報を求めるなどといった流れが一般的です。
 
売手側はIMを開示したあと、買手候補を1社に絞ったのち、デューデリジェンスのプロセスに進みます。
 
質疑応答をせず、いきなりデューデリジェンスに入る場合もありますが、IMにはM&Aをスムーズに進めることができる効果があります。

デューデリジェンスは、買手・売手の双方ともに多大な労力を必要とします。
 
買手側の要望に応じて、売手側は詳細な資料を作成し、買手側はそれを徹底的に分析して買収の検討を行います。
 
しかし、それだけの手間をかけたにもかかわらず、双方の希望価格に大きな乖離があるとM&Aが破談になってしまうかもしれません。
 
そのためデューデリジェンスの前に売手側がIMを提出し、買手側が買収の目安の価額を提示する(※)ことで、お互いに買収の意向を確認します。
※価額を提示しない場合もあります。
 
IMはM&Aのステップを増やし手間がかかるように思えるかもしれませんが、IMを作成することで、M&Aが破談するリスクを抑える効果があり、重要な役割を担っています。

IMに記載される項目について

IMにはできる限り正確に記載するとともに、売手会社の魅力も伝えるための資料にもなります。書式が定められているわけではありませんが、以下のような項目をIMには記載します。

  • エグゼクティブサマリー
  • 売手会社の魅力について、わかりやすく印象に残るようポイントを記載

  • 会社概要
  • 社名、本社所在地、代表者名、資本金、設立年月日、従業員数、沿革、グループ会社一覧などの会社概要を記載

  • 株式情報
  • 株式種類、株主構成、潜在株式情報、資本政策推移などを記載

  • 役員情報
  • 役付、管掌、略歴などを記載

  • 組織
  • 組織図、各部署の役割・人員構成、ガバナンスと報告体系、従業員の年齢・勤続年数分布、会議体運営状況などを記載

  • 会社規則(規則・規定一覧、運営状況など)
  • 退職金制度における簿外債務の有無・支払い現金の確保について、
    就業規則の内容・未払い残業代の簿外債務の有無・労使問題の法的リスクの可能性などについて記載

  • 事業に必要な許認可
  • 保有している許認可、資格、関連規制などを記載

  • 事業概要(市場環境、競合状況、生産体制、研究開発、主要仕入先など)
  • 事業の帰属市場、将来の見通し、競合状況を俯瞰し、事業戦略、主要製品・サービスごとの売上推移および製品戦略などを記載

  • 経営成績(過去の財務情報・修正情報、現行期の状況など)
  • 過去3年分の賃借対照表、損益計算書、主要な科目明細を記載。回収不能な売掛金の計上や、退職給付引当金が未計上である場合などは、修正財務諸表を記載

  • 主要資産
  • 事業用の主な有形資産(土地、建物、設備)および無形資産(知的財産権、技術、ノウハウ)について記載

  • 銀行取引情報
  • 借入条件、担保・保証の状況などを記載

  • 事業計画(現行期計画、中期計画について)
  • 今後の事業計画がどのような戦略に基づいて策定されているか、事業計画の実現性、必要な経営資源を有しているかなどを記載
    *記載された事業計画をもとに買手企業は将来の見通しを評価します。

  • 主要なリスク
  • 偶発債務、訴訟やクレーム、労使紛争等、対象事業(会社)の事業継続やM&A取引において障害となり得る主要なリスクについて記載

  • 今後のプロセス
  • IMを開示した後の希望スケジュールを記載

上記はIMにおいて一般的な項目ですが、売手会社の規模や業種などのさまざまな要因によってアレンジしたり、項目を追加する場合もあります。
 
IMはM&Aのプロセスを進めるための非常に重要な資料になります。なぜならば、買手会社はIMを見てM&Aを進めるかどうかを判断するからです。
 
そして、自社の魅力を詰め込んだIMの作成については、経験豊富なアドバイザーに依頼することが重要です。
 
当社はIMにおいても多くの実績があります。豊富な実績と、経験豊かなコンサルタントが、会社の強みや価値を見つけて、好条件で会社を売却するためのサポートをいたします。お気軽にお問い合わせください。

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