M&A事例

研究開発部門の技術やノウハウが評価されて発展的M&Aに

  • 業種

    製造業

  • 売上規模

    約30億円

  • 役職員数

    100名

  • 当社役割

    売手FA

売却の背景

・後継者不在のため、会社売却を決断

売却条件

・従業員の雇用維持
・従業員の労働環境の改善

同業へのM&Aは従業員リストラの可能性が高くなる

営業利益を毎年1億円計上、内部留保も十数億円規模の化学品材料メーカーですが、後継者不在のため会社の売却を決断しました。

 

製造に携わるスタッフは、ベンゼンなどの危険物を取り扱うなど、労働環境が厳しい状態でした。

また、賃金体系も決して高水準ではなく、オーナーは売却金額を優先するよりも、従業員の雇用維持、労働環境を改善してくれる会社への売却を希望されていました。

 

同業に会社を売却すると、効率化のため統廃合されて従業員がリストラされる可能性が高くなります。最終的に、買手は異業種の大手商社に決まりました。

 

この事例では、買手側がある特許を取得したタイミングで、売り手側の技術や設備環境を利用すれば、特許の実用化、製造の内製化ができることが評価されました。

もちろん、売却条件の従業員の雇用維持、労働環境の改善はもちろんのこと、希望以上の金額で会社を売却することができました。

磨き上げの実施で発展的なM&Aが成立

買手先を探す前に、自社の調査をして会社の強みを見つけることをM&Aでは“磨き上げ”といいます。

 

“磨き上げ”の結果、各製品の売上推移、粗利益は同業他社と差異はほとんどありませんでした。

しかし、研究開発部門が多くの大手会社の試作品を受託、顧客の極めて高い水準の要求をクリア、広く普及する製品の基礎を担っていることがわかりました。

 

そこで、研究開発部門は、どんな分野に強いか、保有する技術やノウハウなどの情報整理を行いました。

これらの技術やノウハウのほか、多種多少な設備、生産ライン、リードタイム、多品種少ロットの製造なども、買手側と高いシナジー効果があることが評価されて発展的なM&Aが成立しました。

Q1. なぜ会社売却をご検討されましたか?

親族内の次世代は、それぞれ現在の仕事に邁進しており、会社を継ぐ意思が見受けられず、

且つ、社内にも後継者が見当たらないこともあり、会社を第三者に売却することを決断しました。

Q2.M&A会社は数多くありますが、なぜアドバンストアイを選択されたのですか?

私が事業を引き継ぐことになった当初より財務のみならず経営全般のアドバイスをお願いしておりました。

どのような相談にも真摯にスピーディーにご対応頂きました。

その姿勢に私は強い愛情を持って会社に関わって頂いているという確信を持ちました。

その確信が強い信頼となりM&Aについてもお願いすることとなりました。

Q3.アドバンストアイに期待したことを教えてください。

全従業員の雇用維持と事業の継続が私の譲れない譲渡条件でした。

その希望に沿った相手先を探していただくことでした。

Q4.M&Aプロセスの中で、大変だった点・苦労した点があれば教えてください。

日常の業務をいつも通り行いながら少人数でデューディリジェンスの質問に対する資料集め、及び回答する作業が大変でした。

また社内で誤解を招かないようにするために、M&Aが成立するまで社内には極秘でしたので情報が漏れないようすることも大変でした。

Q5.(振り返ってみて、)弊社に依頼して良かった点はありますか?

M&A先を探すに当たって私の希望を尊重して頂いたこと、M&Aの交渉対応において安心感が持てたことです。

相手先としてどのような業界から検討してゆくか、どのような業態が望ましいかなどについて丁寧にヒアリングを重ねて頂きました。

 

その結果が今回の素晴らしいお相手に巡り合えた要因だと思っております。

またデューディリジェンス中、弊社はもとより、相手先企業にも誠実な対応を頂いたことが先方の信頼につながったと思っております。

Q6.現在も事業に携わっていると思いますが、M&A前と現在とでの心境の変化はありますか?

現在の心境は“案ずるより産むがやすし”といったところでしょうか。

 

上場会社のグループとなったことで社内では前向きなやる気が、また社内外からは安心感が生まれたように思います。

これからの企業展開が楽しみだと思っております。

成功ポイント

    • “磨き上げ”で会社売却にむけて万全の準備を整えた。
    • 売り手側の技術や設備を利用した買手側のシナジー効果を明確化した。
    • 製造現場がしっかりしていることも高評価に。

    この事例では、“磨き上げ”の結果、
    研究開発部門の技術やノウハウが評価されましたが、これは研究開発部門に限ったことではありません。

    商品企画の過程やマーケティングの成功、失敗の記録なども、時間や費用の効率化が図れるため、評価される場合があります。
    大切なことは、情報を整理して、買手側に期待できるシナジー効果を説明できるように準備をしておくことです。

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アドバンストアイには大手上場企業から、中堅企業、小規模企業まで、さまざまな売上規模の会社のM&Aを手がけてきました。
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